聞こえている?!・赤ちゃんの顔見せ術後40度ほどの熱を出したりしながら、何とかまず、危険と言われた2日を越えました。 その後も良くなったり、悪くなったりを何度も繰り返しながら、2ヶ月ほど後には安定状態にまでなりました。 ただ、父はずっと眠ったまま(意識不明)でした。 手術直後は、取り外したままであった頭蓋骨の右頭頂部分も、しばらくして落ち着いたので、元通りに取り付ける手術もしました。 頭部から体内にバイパスを通す手術もしました。 その間、母はずっと泊まり込んで、側に付いていました。 下の弟も母と交代でずっと付いていました。 わたしも毎日顔を見に行きながら(父はどうなるんだろう…)と思う日々が続きました。 そんな日々を過ごしながら2ヶ月を過ぎた頃、父の枕元でわたしたちが話している時に、閉じている父の目の、まぶたの中の目玉がピクピクッとハッキリ分かるほど動いたのです! ただ眠っているだけではなかった。 ちゃんと父も起きる努力をしている! 以前何かで聞いた「意識不明の植物状態の人でも、まわりの音や、喋っている声はちゃんと聞こえている」という話を信じて、父に話し掛けていて良かったぁ~と思いました。 それからは、手を握ったり、さすったり、声を掛けたり、先生も「どんどん刺激を与えてください」とのことで、毎日みんなでかわるがわるに刺激を与えていると…。 目を開けたのです! うっすらと。 先生の話では「目を開けるというのは、かなり力のいることなんです。いま本人は開けよう、開けたいと頑張っているのですが、すごく力のいることなんです。」と言われました。 話し掛けると、うっすら目を開く、という日々がまたしばらく続きました。 ただ、視線は真っすぐ前のみで、周りが見えているのかどうかも分からない状態でした。 焦点も合っていません。 そのころ、わたしも出産日が近づいていました。 長男が帝王切開だったので、二男も帝王切開で、11/27に産むということが決まっていたのです。 その前に、何とか少しでも意思疎通できないものか…と思っていました。 そんな思いが通じたのか、わたしの入院前にはまぶたをしっかり開けることが出来るようにまでなりました。 ただ、視線は動かず、焦点も合わず、でしたが。 この後の経過を見ていたかったのですが、わたしは二男出産のために、産婦人科に入院します。 無事に二男を出産し、12/7、帰宅途中に父の病院に寄りました。 父にも、母にも、孫の顔を見せるためです。 約二週間、どんな変化があったのか、ほとんど知りませんでした。 ただ、この日のこの時間に病院に寄ることは弟の携帯電話に掛けて伝えてありました。 病院玄関前で車を降りると… 玄関内扉の前に、車いすに乗った父がいました!! 母が車いすを押し、父も、しっかり座っています。 下をうつむき、という状態でしたが、父の目もちゃんと開いていました。 父の視界に入るように、二男を抱き、父の膝の上に乗せるような格好で「お父さん、Uちゃん無事に生まれたよ。」と言いました。 やはり視線は真っすぐ前で動きませんでしたが、なんと!! かすかに、頷いたのです!!! 意思疎通がわずかながら出来るようになっていたのです!! もう、どう言って良いのか分からない感情でいっぱいになりました。 胸がいっぱいというのはこういう状態を言うんだなぁと思います。 倒れてから3ヶ月。 意思疎通が出来るまでに回復しました。 ここから、少しずつですが、ドンドンドンドンと、良くなっていきます。 ジャンル別一覧
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